卜然山房

基本的に与太話しかしません。

2020/02

 僕は依然として新型肺炎そのものは病気としてそれほど恐ろしいものではない、少なくともインフルエンザや通常の肺炎と比べて際立って危険ということはないと思っている。しかし高齢者や基礎疾患を持っている人や肺の弱い人にとっては恐怖だろうし、医療従事者のなかでも重篤化する人がいるわけで、多くの人が不安に思うのは理解できる。加えて、自粛ムードが広まり、ダウ平均や日経平均が崩れており、経済への悪影響が深刻化してきた。

 そこで、新型肺炎を五行論的に考察してみる。しかし言っておくけれども、こういうのは先ずちゃんとした統計と専門家の意見を最重視すべきである。以下はあくまで占い愛好家の私見として受け止めてもらえたらと思う。

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 まず子平的に言うと、肺が弱い人というのは金が忌で強いか、さもなければ金が喜で弱く、大運歳運の巡りで剋を受けている(つまり命式のバランスを崩している)パターンが多い。だいたい五行は喜ふたつ、忌ふたつ、閑ひとつになるので、金が忌になる人はざっと40%いることになる。さらに金が強い人はその半分、20%だ。他方、金が喜のひとは40%、さらに金が弱い人はその半分の20%、さらに忌運にある人はその四割の8%、従って新型肺炎の影響が深刻化しそうな人はざっと見積もって28%ほどいることになる。そのうち、金が強く忌にあたる人は、これから春、夏と季節が進むので、(もちろん八字の構造にもより一概には言えないが)ちゃんと養生すればそれほど心配はないと思う。問題は8%の、金が喜で弱く、しかも忌運にある人だ。

 ただ、今年の干支は庚子で、庚は金を助け、子は火を抑えるので、救いはある。五月辛巳、六月壬午は一応注意したほうがいいだろうが、これも金と水が一緒に巡ってくるので、まだマシだろう。しかしながら8%のうち、人口分布を考えれば二割程度は後期高齢者だろうし、さらにその半分は体調が芳しくなかったり他に疾患があったりするかもしれない。それ以外にも基礎疾患があったり身体が弱かったりする人もいるだろう。となると、1%2%程度の人は要警戒、と言わざるを得ないかと思う。

(あるいは庚子年は、庚の金を子の水が洩しているかたちで、肺は金で、風邪は水の忌象で、風邪で肺が弱る象があるといえばあるかもしれない。金から見て子は十二運の死でもある。この読みでいくと四月庚辰の養、五月辛巳の長生で落ち着いてくるという判断もできる)

 子平を詳しく検証していない人が自分の命式を適切に判断するのは難しいかもしれない。だから単純に、①もとより肺が弱い。②あまり日常が好調でなくストレスや疲労をためている。これらに該当する人は、上の条件に当てはまる可能性があるので、十分警戒して頂きたい。栄養と睡眠時間をたっぷりとって、身体を温かくしておくとよいと思う。餃子あたりをお勧めフードとして推しておく。

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 個人的に気になるのは、武漢の死亡率が突出して高いこと、それからアメリカで流行しているインフルエンザのことだ。インフルエンザは単体ならそれほど怖くはないと思うが、同時に他の菌やウイルスに感染してしまうと症状が重くなり、長引いてしまうことがあるという。武漢やアメリカでは、新型コロナウィルスとインフルエンザが同時流行している可能性もあるのではという気がする。この点は警戒したほうがいいかもしれない。

 国内的にも、新型コロナだけではなく、他の風邪やインフルエンザなどの流行にも十分に気を配ったほうがいいのではないか。

 むかしの人は、よく口を開けるなと言う。口呼吸は傍目にみっともない、だらしなく見えるというのもあるだろうし、口を開けたままでいると魂が抜けるという迷信も根強くある。

 太極拳や内丹法のまねごとをしていると、任脈というのは気を通すうえでなかなかの難所であると感じる。背中を登っている段階では、気の感じは割とはっきりあるのだが、百会泥丸を過ぎて気を降ろしていく段階では、かなり存在感が希薄になる。

 ヨガにしても仙道にしてもそうだが、舌は上顎につけろと言われる。なんでだかイマイチよく分からなかったが、これは気をめぐらすうえで重要な意味があるらしい。そんな見解をネットで見かけた。いやほんとネットはバカにならない。

 口が開いていると、そこで気が断絶してしまう。だから舌を上顎につけて気の通り道をつくってやる。なるほどやってみるとその通りだ。膻中は恐らくハートのチャクラと同一だと思うが、位置的にも心臓とは関係が深いように思える。五行論では、舌と心臓はともに火に属する。舌を上顎につけるようにすると、不思議と膻中の気の通りがよくなる。(ように思える、僕には)

 ハートのチャクラに関することで不調があり、かつ口を開けているのが習慣になっている人は、口を閉じて上顎に舌をつけるようにすると、改善するかもしれない。面白いと思ったのでメモ。

 いや驚いた。前にも捕まっていなかったか。出生時間の分かる芸能人まとめウィキによると1969年5月18日(旧暦4月3日)23時26分、大阪府の生まれとのこと。命式を見てみた。

  時 日 月 年
  甲 甲 己 己
  子 午 巳 酉

  52 42 32 22 12 02 92 82 72 年
  庚 辛 壬 癸 甲 乙 丙 丁 戊 干
  申 酉 戌 亥 子 丑 寅 卯 辰 支
  83 73 63 53 43 33 23 13 03 歳

 この人は確かゲイであることをカミングアウトしていたと思う。心の性別によって大運を出すべきであるという説もあるがまだ突っ込んで検証していない。とりあえず男命として出してみた。(ちなみに夜子時を取るのであれば癸巳日生まれとなる。困ったことにこれはこれでそこそこ筋が通る。が、やはり甲午日に一票を投じざるを得ないかなと)

 僕の見方だと美男でもおかしくない構造だが、率直に言って、あまりいい男とは言えないかなと思う。まだなにか拾いきってない要素があるのだろう。(食傷の午は冲を受けており、巳は空亡。この辺が影響しているのかも。あるいは音楽創作のほうにエネルギーが回ったのかもしれない)

 干関係は甲己の干合ふたつで概ねよいと思うが、支関係は冲があり四仲のうち三つが揃っていて、あまり良いとは言えないと思う。傍目には精神状態が安定していそうに見えるが、いろいろ悩みや葛藤も多かったりするのだろう。

 この構造だと時干の甲比肩が用神だと思う。となると、酉巳の半会が命式の病。金を剋する火は病薬となる。丁卯運、丙寅運で発展しており、実際と合っている。99年己卯にいちど覚醒剤で逮捕されたが、これは喜運の救いだと思う。つまり、逮捕されたほうが良かったのだ。実際、そのあと順調に復帰した。しかし、金が忌であるから、下手をすると麻薬で身を滅ぼす人である。

 2006年丙戌から07年丁亥にかけて、松本零士さんと著作権をめぐる紛争があった。大運は乙丑だが、乙はともかく丑は命式の酉巳と三合を成して用神の甲を剋する。が、結局、槇原さんが有利な形で和解が成立した。09年己丑のことである。己は干合、丑は支合三合で、和解の象がある。また甲日の丑は貴人にあたる。

 で、今年、2020年庚子の2月戊寅、13日丙戌に麻薬容疑で逮捕された。大運は恐らくまだ甲子で、時柱と伏吟である。他方、寅月戌日は命式の午と食傷の局を結ぶ。これが官殺の酉金を剋する。食傷には警察の象があり、忌の官殺には犯罪(この場合、麻薬)の象があり、これを制するかたちがある。これも救いが入ったと見るべきだろう。槇原さんは幸運だったと思って喜ぶべきである。

 今度で二回目なので実刑になるだろうし、セールス的にも厳しいことになるだろうが、まあ次の大運の癸亥は六番目の常で月柱と天戦地冲になるものの、いずれも用神を生じるので、案外無難な展開になるのではないか(癸巳日生まれだとすると散々だが)。しかし、晩年は大変かもしれない。70代で巡ってくる辛酉、次の庚申はそうとうにキツい筈だ。とくに覚醒剤を濫用した人は肝臓を悪くすることが多いという。金は木を剋するわけで、これは五行の理に沿っている。気をつけたほうがいいだろう。

 さあ、オープン戦が始まれば開幕まであっという間だぞというこの時期、訃報が入った。

 お年寄りは伴侶が先に逝くと急に老け込むという。サッチーが亡くなってからしばらくノムさんの姿が見えなくなり、心配していたが、昨年は江本さんと一緒にラジオ解説をされており、またつい先月にはヤクルトの集まりに出て高津監督を激励などしておられたので、今年もとうぜんのように野村節が聴けるものと思っていた。残念だ。そんなそぶりはつゆも見せなかったが、やっぱりサッチーを失ってこたえるものがあったんだろうなあ。

 僕に野球の面白さを教えてくれた名監督でした。心よりご冥福をお祈りします。

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