宮崎県知事選挙が25日に行われるのを知らなくて、24日に唐突に知り、東国原氏が出るというので盤を作ってみた。優勢・劣勢を知ってしまうと面白くないので、敢えて調べずに、東国原氏が現職を破ることができるかを占ってみた。(ちなみに僕は暦月を取っているが、奇門遁甲は24節気から局数を取るので、盤の作り方は一緒である。ただ判断するときの月干が異なる)

  壬寅年癸丑月辛亥日乙未時
  冬至上元陽一局、甲午辛旬
  日空:寅卯、時空:辰巳

  庚冲天 辛輔符 乙英蛇
  辛景巽 乙死離 己驚坤

  丙任地     己芮陰
  庚杜震 壬 中 丁開兌

  戊蓬武 癸心虎 丁柱合
  丙傷艮 戊生坎 癸休乾

 東国原氏は1957年丁酉の生まれで、現職の河野知事は1964年甲辰の生まれとのこと。ちなみに甲辰は壬の旬にあたるので、壬を見る。中宮に落ちているが坤宮に排されて己と一緒になり、兌宮で丁のうえに来る。東国原氏の丁が落宮する乾とは比和関係にあり、勝敗は判然としない。

 日干の辛は離宮にあり、時干の乙は坤宮にあり、日干(体)宮が時干(用)宮を生じていて、消耗の暗示がある。また直符の離宮を現職とすれば、これが東国原氏の乾宮を剋しているので、現職の勝ちの暗示がある。

 東国原氏の丁は地盤に癸を得て、雀投江の格だ。雀は鳥類で、飛ぶもので、東京から宮崎へ選挙をしにやってきた東国原氏を現わすと思う。それが癸に剋され、江に投げ込まれる。これも負けの暗示だ。十二運も胎と養で勢いがない。

 従って、東国原氏の負けだろうと判断した。

 そのあとニュース記事などを読んでみたら、現職が有利なようだったので、フフッまた当たってしまうのかと満足してノートを閉じた。

 ところが翌日、投票時刻が閉め切られても現職に当確が出ない。聞けば東国原氏は選挙期間の後半に入って猛烈に追い上げたようで、現在、横並びとの報道であった。盤をよく見ると、現職年命の兌宮と東国原氏年命の乾宮は比和の関係にあり接戦の暗示がある。

 そこで、断易でも占ってみることにした。

  丑月壬子日、謙の坤に之く

  白 〃 兄酉
  騰 〃 子亥 世
  勾 〃 父丑
  朱 □ 兄申 ⇒ 財卯
  青 〃 官午 応 (財卯)
  玄 〃 父辰

 これを勝負占と見るなら、世爻を東国原氏、応爻を現職とすべきだろうが、東国原氏が知事に当選するかどうかを問うものなら応爻の官鬼が用神になる。が、これはどちらを見ても結局は一緒のことだろうと思った。世爻を東国原氏とするなら、世爻に忌神が入って原神が空亡に化している(選挙、官職の用神は官鬼)。追い上げ及ばず当選せずの象。応爻を東国原氏とするなら、日破で独発が現職をあらわす五爻を生じている。官職得られずの象。どのみち東国原氏の負けだ。

 結果は、現職河野氏が25万8646票。東国原氏が23万5602票。現職の勝ちとなった。

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 奇門遁甲の占例の記事を書こうと思えばネタは山ほどある。それだけ色々とよく当たっている。盤を作るのは手間だが非常に占いやすい占術だと思う。

 テキストの占例を見ると割と細かい数字まで占って当てているのだが、この盤のどこをいじれば23万~26万という得票数が出てくるのかはちょっと分からない。当確が出たのは23時過ぎと遅かったが、日干、時干、両者の年命いずれも陰遁の宮に入っている。陽遁のときの9276の諸宮は外盤とされ、遠近なら遠、遅速なら遅を現わすというが、それは応じていたと言えそうだ。